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みなさんは、「注意欠如・多動症(ADHD)」ということばを聞いたことはありますか?テレビなどでも取り上げられることが増え、ご自身がADHDであるとカミングアウトされている有名な方もいます。ADHDにはどのような特徴があり、周りの人はどのように理解すればよいのでしょうか?ADHDは、「不注意」や「多動・衝動性」といった特徴がある発達障害です。「注意が持続できない」「大事なことに気づきにくい」などの不注意、「落ち着きがない」じっとすることが難しい」などの多動、思いついたことをすぐにやってしまう」「考えて行動することが難しい」などの衝動性が主な特徴です。不注意の特徴が目立つ人、多動・衝動性の特徴が目立つ人、両方の特徴を併せ持っている人がおり、それぞれ特徴の現われ方は様々です。ADHDは人が考えたり行動したりする際に働く脳や神経の仕組みに問題があり、特に前頭葉と呼ばれる脳の前部分の働きの弱さが原因の一つではないかと考えられています。「育て方」しつけ」の問題ではありません。キクチ眼鏡専門学校卒業、米国パシフィック大学オプトメトリー修士課程・教育学修士課程修了、大阪医科薬科大学博士課程修了(医学博士)。オプトメトリスト・眼鏡作製技能士として、幼児期・学童期の子どもたちの視機能・視覚認知の評価やビジョントレーニングを実践し、視覚発達と学習の関係についての研究を行う。公認心理師、特別支援教育士スーパーバイザー、日本LD学会理事、特別支援教育士資格認定協会理事、視覚発達支援研究会理事長。AmericanAcademyofOptometry認定オプトメトリスト(FAAO)CollegeofOptometristsinVisionDevelopment認定オプトメトリスト(FCOVD)奥村智人先生大阪医科薬科大学小児高次脳機能研究所・LDセンターおくむらともひとvol.4言葉の遅れや認知の偏りがあるお子さんを対象に、各種検査を実施し、幼児の言語・コミュニケーションと学習姿勢の基礎作りの指導、学齢期のお子さんの言葉の指導や学習の基礎となる力を育てる指導、ビジョンセラピー、作業療法などを行っています。大阪医科薬科大学LDセンターX(旧Twitter)Facebook(講演会情報)YouTube(くじらチャンネル)「不注意」の特徴の例●細かいことを見過ごして、うっかりミスが多い●集中力がなく、気が散りやすい●すぐに飽きてしまうことが多い●最後までやり遂げることが難しい●忘れ物やなくし物をよくする●整理整頓や片付けが苦手●話しかけても聞いていないことがある叱られてばかり、は誰のせい?広く知られるようになった「発達障害」。しかし支援や理解はまだ十分でなく、「生きづらさ」を感じている人も多くいます。そんな「生きづらさ」を軽減するために、本人や家族・周囲の人はどんな工夫ができるのでしょうか。発達障害を持つ子どもを対象に支援を行う大阪医科薬科大学LDセンターの先生方にお話をお聞きします。「注意欠如・多動症(ADHD)」とは08|WellTOKK2024Winter