阪神KANお散歩マップ vol.003

『阪神KANお散歩マップ』は、神戸市東灘区、芦屋市、西宮市、阪神電気鉄道株式会社が協力して制作した地図で、かつての「阪神間モダニズム」文化を紹介しています。この地域は現代でもモダンで上質なライフスタイルが息づき、その魅力を感じるために、地図を片手に神戸東灘・芦屋・西宮の街を散策しましょう。第3弾は、「ミュージアム」がテーマ。阪神間地域に数多くある美術館・博物館を幅広くご紹介します。大正時代から昭和初期にかけて、多くの作家や画家が阪神間地域に住み、文化・芸術の発展に寄与したことで、阪神間モダニズム文化が一層醸成されたと考えられています。このような阪神間モダニズムの息吹が感じられる芸術作品などの魅力をお楽しみいただけます。


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01芦屋市立美術博物館芦屋駅芦屋駅吹き抜けのホールは開放感抜群!芦屋で育まれた美術や歴史を鑑賞じろうよしはら芦屋ゆかりの美術家を中心とした近代・現代の作品や、芦屋の自然・歴史に関する展示を行う。その中でも、吉原治良を中心に芦屋で結成された前衛美術グループ「具体美術協会」の作品など、先進的な現代アートも積極的に紹介している。また、高さ約14mの開放的な吹き抜けのエントランスホールをはじめ、アート的に楽しめる館内空間も必見だ。107973854322芦屋市伊勢町1225310:00〜17:00入館は16:30まで)4月曜(祝日の場合は開館、翌平日休)、年末年始※展示入替など臨時休館あり5展覧会により異なる6館内禁煙7阪神芦屋駅▶徒歩約15分8http://ashiya-museum.jpココもオススメ撮影スポット!学芸員の室井康平さんこいでならしげ敷地内には、芦屋ゆかりの洋画家・小出重のアトリエを復元・保存した建物のほか、同館隣には谷崎潤一郎記念館もあります。また、芝生のある前庭も気持ちのいい場所です。02白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム)西宮駅西宮駅酒蔵館と記念館の2構成で伝統の酒造りを後世に伝える酒造りの歴史と文化を後世に伝える目的で開館。酒蔵館」は明治2(1869)年築の酒蔵を利用し、昔ながらの酒造道具を展示。「記念館」では酒に関する資料や美術工芸品をはじめ、桜の保護・育成に尽力した笹部新太郎の桜コレクションを公開している。107983300082西宮市鞍掛町821310:00〜17:00入館は16:30まで)4火曜(祝日の場合は開館、翌日休)、年末年始、夏期休暇5一般500円、中・小学生250円※記念館・酒蔵館は共通券6館内禁煙7阪神西宮駅▶徒歩約15分8https://www.hakushika.co.jp/museum/107882264562神戸市東灘区御影2521310:00〜17:001・2月は〜16:00、入館は各30分前まで)4月・火曜&コンサート開催日(1・2月は木・金曜のみ開館)、年末年始5一般500円、小・中・高・大300円、65歳以上400円6館内禁煙7阪急御影駅▶徒歩約3分、阪神御影駅▶徒歩約16分8https://seramuseum.weebly.com03世良美術館御影駅御影駅心地いい時間が流れる女流画家の“隠れ家”せらとみえ洋画家・小磯良平に師事した、女流画家・世良臣絵の個人美術館。吹き抜けがあり、陽光が降り注ぐ明るい館内では、季節の花や自然の風景をテーマにした水彩画やガラス絵などを展示する。また、サロンコンサートなどイベントも不定期で開催。1エントランスロビーに一歩足を踏み入れると、約15m幅のガラス窓一面に日本庭園が広がり、圧巻の美しさ。流れる滝や緑豊かな木々を眺めて楽しむことができ、来館者の憩いのスペースになっている。2企画展を中心に展覧会を開催する。3回廊式の日本庭園は自由に散策することができ、庭園内には立体作品が11点展示されているので、ぜひ探してみよう。4ステンドグラスなど、館内の装飾も美しい。4開13ココもオススメ撮影スポット!館長の越智裕二郎さんろうばい季節の花々が美しい四季を彩る庭園へ1月の蝋梅から始まり、梅や桜など、季節の花々が目を楽しませてくれる庭園は、格好の撮影スポット。松の緑を背景にすれば、花々の鮮やかさが一段と際立ちます。204西宮市大谷記念美術館香櫨園駅櫨園駅緑豊かな庭園が出迎えてくれる静かな佇まいが魅力的な美術館実業家の故・大谷竹次郎が西宮市に寄贈した美術品と邸宅をもとに昭和47(1972)年に開館。年約5回開催する展覧会では館蔵の日本とフランスの近代絵画のほか、絵本原画や現代美術など、新しい美術の紹介に注力する。そして、館内で作品を鑑賞した後はぜひ四季折々の草花が美しい庭園へ。岡本太郎や元永定正の作品が自然の中に溶け込むように常設され、絵になる風景がそこかしこで楽しめる。もとながさだまさ107983301642西宮市中浜町438310:00〜17:00(入館は16:30まで)4水曜(祝日の場合は開館、翌日休)、12/7〜2/19※展示入替など臨時休館あり5展作品も建物も必見!覧会により異なる6館内禁煙7阪神香櫨園駅▶徒歩約6分8http://otanimuseum.jpわんえんなんいど12茶道具関係の展覧会は特に人気が高く、「志野茶碗銘朝日影」(桃山時代)や「井戸茶碗燕庵井戸」朝鮮時代)など数々の名品が展示される。3美術館をぐるりと囲む見事な御影石の石塀も見どころ。4美しい自然が目を楽しませてくれる前庭。5春と秋にテーマを決めて展示する「コレクション展」と、日本美術の様々な作家に焦点を当てた「企画展」を開催。しのちゃわんめいあさひかげいどちゃミュージアムへGO!06神戸市立小磯記念美術館アイランド北口駅アイランド北口駅3ミュージアム阪神間モダニズムとは?阪神間モダニズムと画家・蒐集家たちしゅうしゅうか3第回07てきすい滴翠美術館※室内は撮影不可。芦屋川駅芦屋川駅モダニズム建築の粋が詰まった静謐な邸宅美術館へせいひつ107972222282芦屋市山芦屋町133310:00〜16:00(入館は15:30まで)4会期中の月曜※春季・秋季展開催時のみ開館5一般630円、高大生420円6館内禁煙7阪急芦屋川駅▶徒歩約8分8http://tekisui-museum.biz-web.jpやまぐちきちろべえ大阪財界で活躍した山口吉郎兵衛によって収集された約2,500点の古美術類を展示。建物は昭和を代表するモダニズム建築家の安井武雄が手がけたもので、ひょうごの近代住宅100選にも選定される。地階には贅を尽くした茶室もあり、こちらも見どころ。館内では鶴の文様が至るところに見られる。表紙写真ココ!は08白鶴美術館御影駅御影駅107885160012神戸市東灘区住吉山手611310:00〜16:30(入館は16:00まで)4会期中の月曜(祝日の場合は開館、翌日休)※春季・秋季展開催時のみ開館5大人800円、大学・高校生・65歳以上500円、中・小学生250円6施設内禁煙7阪神御影駅▶市バス38系統▶白鶴美術館前停▶下車すぐ、阪急御影駅▶徒歩約15分8http://www.hakutsuru-museum.org建物自体が一級の美術品!貴重な古美術と併せて巡りたいかのうじへえ白鶴酒造七代・嘉納治兵衛が設立した私立美術館。国宝2点、重要文化財22点を含む約1,450点もの中国・日本の古美術を所蔵し、春・秋の年2回、展覧会を開催する。昭和の名建築と称される本館は随所に豪壮華麗な意匠が施され、建築探訪も楽しみの一つ。中庭にはモダンな洋館のアトリエも!神戸を代表する洋画家の作品が一堂に神戸に生まれ、阪神間で制作を続けた日本を代表する洋画家・小磯良平の美術館。油彩・素描・版画など約3,200点を展覧会に合わせて展示するほか、中庭に移築・復元した小磯のアトリエも観覧できる。また、彼が描いた女優・八千草薫の肖像画が2020年に寄贈された(展示期間は要問合せ)。清楚な雰囲気をたたえた美しさが話題を呼んでいる。107885758802神戸市東灘区向洋町中57310:00〜17:00入館は16:30まで)4月曜(祝日の場合は開館、直近の平日休)、年末年始※展示入替など臨時休館あり5展覧会により異なる6館内禁煙7阪神魚崎駅▶六甲ライナー▶アイランド北口駅▶下車すぐ8https://www.city.kobe.lg.jp/kanko/bunka/bunkashisetsu/koisogallery/index.htmlココもオススメ撮影スポット!学芸員の多田羅珠希さんオススメは中庭越しに見るアトリエ。庭には小磯家と同じ種類の植物を植栽し、室内には作品に登場する小物が見られ、小磯が過ごした時間を贅沢に味わえる空間です。志野茶碗銘朝日影井戸茶碗燕庵井戸12©一般財団法人神戸観光局354ココもオススメ撮影スポット!こうせつ香雪美術館御影駅御影駅たの作品を掲載しませんか?なあ05◀天井には飛鶴と唐草文様が描かれている(白鶴美術館)。された画風で有名な洋画家・小出重は、芦屋にアトリエを設けて制作に励んだ。抽象絵画のパイオニア・吉原治良が中心の前衛美術集団「具体美術協会」も芦屋を拠点とし、先鋭的な表現で世界的に注目されたという。一方、阪神間では、美術品の蒐集に励んだ富裕層も数多くいた。現在、彼らが住んでいた邸宅跡など関連する建物が美術館となり、遺された貴重なコレクションを見ることができる。白鶴酒造七代・嘉納治兵衛が設立した昭和の名建築の「白鶴美術館」や、朝日新聞社創業者・村山龍平が愛した茶室がある「香雪美術館」など、当時の粋を結集したモダニズム建築がそのまま生かされているので、建物と作品の両方を楽しんでほしい。神戸から西宮に広がる阪神間を舞台に、大正から昭和初期にかけて花開いた建築・芸術・生活様式を指す「阪神間モダニズム」文化。その形成において大きな役割を担ったのが、芸術家たちの創作活動である。まず富豪や起業家たちが阪神間に邸宅を構え、地域の発展に貢献。文化的環境が整い、多くの作家や画家が居を移し、文化・芸術の発展に寄与したことで、阪神間モダニズムが一層醸成されたと考えられる。その形成時代に阪神間で活躍した画家たちを代表する一人が、神戸で生まれた具象絵画の巨匠・小磯良平だ。洗練された技術と豊かな感性で描かれたモダニズム的な作品は今も人気が高い。他にも、独特のデフォルメ小磯良平は人物画を多く手がけている(神戸市立小磯記念美術館)。▼神戸市(東灘区)・芦屋市・西宮市の三つのまちを巡って、「阪神間モダニズム」を感じる写真をインスタグラムに投稿してください。その中から次号本マップに掲載いたします。[投稿方法]❶インスタグラムで公式アカウント「@hanshinkan_modernism」をフォロー❷神戸市・芦屋市・西宮市内で「阪神間モダニズム」を感じる場所・モノ・ヒト・グルメ・イベントなどの写真を撮影❸「#感じる阪神KAN」のタグをつけてインスタグラムに投稿投稿キャンペーンを開催【対象期間】2020年10月30日(金)〜2021年1月31日(日)期間内に投稿いただいた方の中から4名様に賞品(QUOカード3,000円分)をプレゼントします。当選者の方には、事務局からダイレクトメッセージでご連絡いたします。※画像はインスタグラムより発行元:阪神間連携ブランド発信協議会(神戸市東灘区、芦屋市、西宮市、阪神電気鉄道株式会社)風情ある石塀の小道を辿って古美術の名品と出合いに昭和48(1973)年に開館、朝日新聞社の創業者・村山龍平が収集した日本・東洋の古美術品を中心に展示する美術館。重要文化財19点、重要美術品33点を含む所蔵品は絵画や仏教美術など幅広くそろい、中でも村山が茶道に精通したことから、茶道具関連のコレクションには目を見張るものがある。住吉が実業家たちの豪邸が立ち並ぶ邸宅地であった頃の面影を残す佇まいは、落ち着きと安らぎが感じられる。主任学芸員の落合治子さん庭園見学会で歴史的建造物が見られる!普段は非公開の美術館庭園には、重要文化財に指定された洋館や日本館などの建築物が、豊かな自然の中に佇んでいます。庭園見学会を定期的に開催しているのでぜひ。※公式HPから要申込み、有料。※掲載情報は2020年10月12日現在のものです。※本誌掲載価格は基本的に税込です。※お店によってはテイクアウト時に価格が変更となる場合があります。※開館(営業)時間やお休みは変更となる場合がありますので、各所にお問合せください。※本誌掲載の記事、写真などの無断転載を禁じます(掲載画像はイメージ)。107884106522神戸市東灘区御影郡家2121310:00〜17:00(入館は16:30まで)4会期中の月曜(祝日の場合は開館、翌日休)※展示入替など臨時休館あり。また、展覧会開催時以外は休館5一般700円、大高生450円(企画展は一般800円、大高生500円)7阪急御影駅▶徒歩約5分、阪神御影駅▶徒歩約15分8https://www.kosetsu-museum.or.jp/mikage/


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